先輩紹介|「これでいい」じゃなく、「これがいい」に。

「抹茶色の振袖がいいんです」。
そう言ってご来店されたお客さま。
聞けば、何かのTV番組で見た振袖がすごく気に入って、
「もうこれしかない!」と思ったのだそうです。
京都きもの友禅は、常時数百枚の振袖を取りそろえる、
圧倒的なラインナップが強み。
他店では出会えない商品が見つかる!が1つの売り文句…なのですが、
そのお客さまのイメージする抹茶色の振袖は、残念ながらありませんでした。

私はふだん、お客さまの希望を伺いつつ、
いろんな色・柄の振袖を試着するようにおすすめしています。
着てみると、考えが変わるお客さまが多いからです。
けれどこのお客さまの場合、どれも「うーん」といまいちな反応。
そこで私は、少し時間をください!とお願いしました。

「これでいい」じゃなく、「これがいい」と思って買ってほしい。
私が接客するとき、大切にしているポリシーです。
成人式は一生に一度。妥協して、あとで後悔してほしくないから。
私は商品部にかけあいました。接客した私にしか分からないお嬢様のお好みと、
私の経験から思うお嬢様に似合うイメージを細かく伝えて、振袖を探してもらいました。

しかし、入荷した振袖は私の中でも100%納得ができず、念のためお客様に見て頂いたものの、
お嬢様も「う〜ん」といまいちな反応でした。

「もうこれでいいかな〜?」
なかばあきらめの気持ちなのか、
お客さまからそんな声がポロッとこぼれ、私は「これでいい」の気持ちで、
一生に一度の振袖を決めて欲しくありませんでした。
もう少しお時間を下さいとお願いし、もう一度商品部の方に細かいところまで色柄を伝え、
新たな商品を手配してもらいました。

それは見た瞬間、「これだ!」と叫んでしまうくらいイメージ通りの振袖。
すぐにお客さまにお電話しました。
そして予想通り、「これこれ!これがいい!」とご納得され、ご購入いただきました。
帰り際のうれしそうな顔、いまでも忘れられません。

先日、そのお客さまがお店に来て、前撮りをした写真を見せてくれました。
そこに写るお客さまは、とてもいい笑顔をしていました。

  • きものには、興味がなかった。けど、日本的なものは大好きだった。
  • 「これでいい」じゃなく、「これがいい」に。
  • 6年越しの、約束。
  • 売上がすべて、なんて職場は、かなしい。
  • お店の数字を伸ばすことは、人を伸ばすことだ。
  • これからは、あなたたちの時代です。
pagetop