先輩紹介|6年越しの、約束。

そのお母様との出会いは、6年前。
私が入社して3ヶ月のころでした。
目当ては、お嬢様の成人式の振袖。
ど新人だった私は、とにかくテンパりまくってしまって。
正直、何を話したかも覚えてないくらい。
気に入ったものが見つかってご購入いただけたものの、
それはほぼ、先輩の力でした。

2回目に会ったのはその4年後。
今度は、下のお嬢様の成人式でした。
「長谷川さんもずいぶんしっかりしちゃって」
「たどたどしかったあのころがなつかしいわ」
なんてお母様に言われて、ありがたいような、ちょっと恥ずかしいような。
ただこうして、またお母様に会えたことが、うれしかった。

その日からですね、私とお母様の関係が変わったのは。
京都きもの友禅は毎月、一般呉服を販売する催事を開催しているのですが、
ほぼすべての回に、お母様は来てくださいました。
私たちの仕事は、振袖を売ることだけじゃない。
接客を通じて、日本の伝統文化である、きものの魅力を伝えていくこと。
だから、それができたんだ!って気持ちになって、本当にうれしかった。

そしてまた時が流れ、私が入社6年目のある日。
お母様から、連絡が入りました。
上の娘の結婚が決まったの。式に着ていくきもの、見立ててね。約束でしょ?
そう。
実は最初に振袖をご購入いただいたとき、私は、こう言ってたんです。
いつかお嬢様が結婚するときが来たら、またお手伝いさせてください、って。
6年も前の約束を、覚えてくれてたなんて、ビックリ。
後日、お母様は本当に、式で着る黒留袖を買ってくださいました。
振袖をきっかけに、お客様と一生のお付き合いをする。
入社6年がたち、それをリアルに感じた出来事でした。

きっとこれから、私が成人式をお手伝いしたお嬢様たちが、
どんどん結婚していく。感慨深いものがあります。
この仕事は、歳を重ねれば重ねるほど、楽しみがふえていくんですね。
ただ、みんながどんどん私を追い越していっちゃうから、
それはそれでフクザツなんですけど(笑)

  • きものには、興味がなかった。けど、日本的なものは大好きだった。
  • 選ばれたのは、お店じゃなく、私だった。
  • 6年越しの、約束。
  • 売上がすべて、なんて職場は、かなしい。
  • お店の数字を伸ばすことは、人を伸ばすことだ。
  • これからは、あなたたちの時代です。
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