振袖レンタルを利用する際の注意点・きものマナー

FURISODE

振袖レンタルをする際、傷をつけたり、汚したりするのは避けたいものです。レンタル補償などもありますが、たばこや香水によるものは補償対象外となるケースも少なくありません。振袖をキレイに着こなし、返却できるよう、振袖を着る際のマナーや注意点を紹介します。

目次

1 振袖レンタル時の基本マナー&注意点

バッグを肩にかけない

手を上げない

酔っぱらったり、羽目を外しすぎたりしない

2 【移動編】振袖を着るときのマナー&注意点

歩幅は小さく、内またでゆっくり歩く

袂や裾を踏んだり、引きずったりしないようにする

雨の日は、泥はねに注意

3 【着席編】振袖を着るときのマナー&注意点

正座のしかた

椅子の座り方

車の乗り方

4 【食事編】振袖を着るときのマナー&注意点

ナプキンや大判ハンカチを帯に挟んでカバーする

コップの底のしずくに注意

ものをとるときは、袖を押さえる

5 【トイレ編】振袖を着るときのマナー&注意点

1 振袖レンタル時の基本マナー&注意点

振袖レンタルをしたら、傷や汚れに気をつけるのはもちろん、美しい所作で着こなしたいものです。振袖レンタル時のマナーについて見ていきましょう。

バッグを肩にかけない

バッグの持ち手や肩ひもが着物に擦れると、振袖の生地が傷んでしまいます。バッグを肩にかけたり、持ち手に腕を通したりするのは控え、なるべく手で持つようにしましょう。

ちなみに、振袖は日本の伝統的な正装であるため、大きなバッグを持ったり、手ぶらだったりするのは好ましくありません。

手を上げない

振袖を着て肩から上に手を上げると、着崩れの原因になります。電車やバスで移動する際は、つり革を使用せず、スタンションポール(つかまる棒)を使用しましょう。

基本的に、脇を閉めて袖口をつかむようにしておくと着崩れすることも、袖口が見えることもなく、綺麗に見えます。

また、久しぶりに会う友人を見つけて大きく手を振りたくなりますが、できるだけ手を上げないように気をつけてください。体から手を大きく離さないように意識することが大切です。

酔っぱらったり、羽目を外しすぎたりしない

酔っぱらってお酒をこぼしたり、転んだり、羽目を外しすぎて袖をひっかけてしまったりすると、振袖を汚したり、痛めたりする可能性が高まります。第一正装であることを意識し、おしとやかな所作を心がけましょう。

また、タバコの火が飛んで振袖に穴が開たり、においがついてしまったりする可能性も。振袖を着る際は、タバコにも注意してください。

2 【移動編】振袖を着るときのマナー&注意点

振袖を着る際のマナーや注意点について、場面ごとに詳しく見ていきましょう。まずは、移動時のマナーや注意点から解説します。

歩幅は小さく、内またでゆっくり歩く

大きな歩幅で歩くと、振袖の裾がはだけてしまいます。着崩れの原因にもなるため、振袖で歩く時は小さめの歩幅を心がけましょう。

また、歩く時はもちろん、立ち止まるときも内またを意識するときれいです。

袂や裾を踏んだり、引きずったりしないようにする

振袖の袂(たもと)が長いのは、長い袖を振ることが厄払いやお清めになると考えられていたため。しかし、実際に袖を大きく振りながら歩くのは美しくありません。

腕を振って袂を大きく揺らさないよう心がけましょう。

また、振袖の裾はくるぶしよりも下です。ちょっとした動作の際に踏んでしまわないよう気をつけてください。

階段を上るときは左右の袂を重ねて左手で持ち、右手で裾の上前を軽く引き上げるときれいに上がれます。

雨の日は、泥はねに注意

雨の日は特に、振袖が汚れてしまわないよう注意することも大切です。裾に泥がはねないよう静かに歩き、袂が地面について汚れないよう気をつけてください。

また、華やかさを出すために帯もボリュームがあります。雨の日に外を歩く際は、振袖や帯が濡れないよう、普段よりも大きめの傘をさすことをおすすめします。

3 【着席編】振袖を着るときのマナー&注意点

セレモニーや同窓会など、成人式では振袖を着て着席する場面も多いです。着席時のマナーや注意点について解説します。

正座のしかた

正座をする際は、次の手順で袖や裾をきれいに保ちましょう。

(1)振袖の裾の前側を左手で少し持ち上げる
(2)右手で膝の裾周りを抑えるようにしながら正座する
(3)左右の袂がきれいに垂れるようになおす

立ち上がる際は、裾を踏まないように注意しながら、つま先を揃えてゆっくり立ち上がりましょう。

椅子の座り方

椅子に座る際は、袂の扱いに注意しながら次の手順で座りましょう。

(1)左右の袂を左手で持つ
(2)右手で裾が広がらないよう抑えながら椅子に座る
(3)左右の袂を重ねて膝の上に置く

背もたれのある椅子に座る際は、帯がつぶれないよう浅く腰掛けましょう。背筋を伸ばすことを心がけると座る姿がきれいに見えます。

車の乗り方

振袖を着て車に乗る際は、次の手順で座りましょう。

(1)車内に背中を向けて立ち、袂を片手でまとめて持つ
(2)髪や飾りが崩れないよう体をかがめる
(3)お尻から車内に入り、座席に座る
(4)裾が汚れないよう注意しながら、足を揃えて車内に入れる

後ろ向きで車に乗り込むことになります。勢いよくドスンと座らないよう注意してください。

また、乗車中は帯がつぶれないよう背もたれに体重を預けるのは控えましょう。前に手でつかめる所があればつかんでおくと、しっかりとした姿勢が保てます。

4 【食事編】振袖を着るときのマナー&注意点

同窓会のような会食をともなう場に、振袖を着て参加することもあるでしょう。食事の際のマナーや注意点を紹介します。

ナプキンや大判ハンカチを帯に挟んでカバーする

食事の際、膝の上にナプキンを置くのがマナーです。振袖の場合は、帯もカバーできるよう帯にナプキンを挟むようにすると安心です。

ナプキンがない場合は、ハンカチでもOK。念のため、大判ハンカチを用意しておくとよいでしょう。

コップの底のしずくに注意

コップに冷たい飲み物が入っていると、外側にしずくがついてしまいます。

コップを口に運ぶ際は、着物にしずくが垂れないよう注意しましょう。コップの底をこまめに拭くことを意識しておくと安心です。

また、濡れたコップを倒したり落としたりしないよう、しっかり持つようにしてください。

ものをとるときは、袖を押さえる

振袖の長い袂は、何かにふれたりひっかかったりしやすいです。ものをとるときは、袖に手を添え、ひっかけたり汚したりしないよう注意しましょう。

特に、テーブルの奥にあるものをとるときは、注意が必要です。

5 【トイレ編】振袖を着るときのマナー&注意点

振袖を着ようと考えたときに、気になるのがトイレ事情。振袖でトイレを利用する際は、洋式を選びましょう。

また、あごにハンカチを挟んでおくと、ファンデーションで振袖の襟もとを汚す心配がありません。

準備ができたら、次の手順で座ります。

(1)袂の中央あたりを帯や帯締めに挟む
(2)上前、下前、長襦袢、裾除けの順に持ち上げる

着物がずり落ちてこないよう、裾はしっかり手で持ちましょう。裾除けで長襦袢や振袖を風呂敷のように包んで結ぶ方法もあります。

袖が汚れないよう注意しながら手を洗い、トイレから出る際は、裾や帯、袂がきれいになっているか、後ろ姿もしっかり確認しましょう。

トイレの利用手順を覚えておくと、振袖の着崩れや汚れを防げます。

成人式で着用する振袖。ママ振袖を用意したり、購入したりする方も多いですが、レンタルする方も少なくありません。せっかくの振袖をうっかり汚してしまうことがないよう、着こなしのマナーや所作に気をつけましょう。

レンタル振袖の場合は、クリーニングや万が一の時の補償がついているのが一般的なため、安心してしまいがちですが、タバコの火による穴やニオイ移りなどは、補償対象外になっている可能性もあります。

返却時に後悔しないよう、気をつけてください。

監修鈴木 則子

1938年 東京出身。1956年、山野高等美容学校に入学。
卒業後、山野愛子分室フタバ美容室で修行。20歳で独立し、トミー美容室を開業。
黄綬褒章
卓越技術者「現代の名工」
全日本美容講師会着付最高師範

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